生き方を、デザインする。mitosaya 薬草園蒸留所 Open Dayで見えた世界

Report

どう生きるか。「仕事」と「暮らし」の境界線と、「生き方」の選択。

mitosaya薬草園蒸留所。その存在を知ったのは、彼らがクラウドファンディングで蒸留所の開業資金を募っていた2017年。
とにかくmitosoyaが目指す世界観にものすごく惹かれた。それと同時に、プロジェクトの代表である江口宏志氏の「生き方」に憧れた。

江口氏は2002年にブックショップ「UTRECHT(ユトレヒト)」を東京、代官山にオープンし、書店、出版、輸入や輸出、卸売など、本にまつわる様々な業務に関わった後、2009年からはアートブックフェア「THE TOKYO ART BOOK FAIR」を企画・開催し、本を作るアーティストが直接買い手とつながる場所へと成長させた。

自分が興味・関心のある、自分自身が惚れ込んだ本だけを並べる本屋を始め、そこからその世界観を多くの人と共有する場に育てあげていく日々の中で、江口氏は大好きな本の中に心惹かれる世界を見つける。


国内外のアーティスト、デザイナー、写真家、出版社などと交流を持つ中で、たくさんの印象的な本の作り手に出会いましたが、その一つにドイツ、フランクフルトの「Revolver」という出版社がありました。
 
この出版社のコンセプトは、「archiv für aktuelle kunst(現代のアートをアーカイブする)」というもので、コンセプトが無理なく形になった魅力的な本を出版していました。
 
その出版社、Revolverの代表を務めていたのが、クリストフ・ケラー。
彼は出版物の企画、編集、そしてデザインまでを自ら手がけていました。
 
その彼が出版社の代表を退き、南ドイツの田舎で蒸留酒を作っている、という記事をなぜかオーストラリアの「condiment」という雑誌で読んだのが、蒸留に興味を持ったきっかけでした。

Ready for 「プロジェクト概要」から抜粋

2015年にUTRECHT、THE TOKYO ART BOOK FAIRの代表を辞した後、クリストフ・ケラー氏が営む、南ドイツのオー・ド・ヴィの蒸留所、Stählemühle(スティーレミューレ)で修行を始めた江口氏。

2016年に帰国、日本で採れる植物やフルーツを材料にした蒸留酒を作るための場所を求めて全国を探し歩き、 千葉県大多喜町の薬草園跡地にmitosaya薬草園蒸留所を設立。

その頃の家族の暮らしぶりが、 家族と一年誌『家族』 という本で紹介されているのだけれど、その日々が、もう本当に、涙が出そうなほど美しいのだ。

ただまっすぐに、シンプルに、自分の心惹かれる世界を追求していく。日々の暮らしも、関わる人々も、すべてをごく自然にその世界に組み込んで、馴染ませて、豊かに美しく拡がっていく彼らの世界を体験してみたい。
そんな想いをずっと抱いていた私は、3月に開かれたOpen Dayにmitosayaを訪れた。

入り口付近に割いていた真っ白な椿。

私がそこで体験したのは、mitosayaに関わる人々、その周りの人々が「自身の生き方」を心から楽しんでいる、豊かで実りある世界だった。

「職業」とか「仕事」とか、そんな枠を飛び越えて、ただ、自分たちが選んだ生き方を、妥協することなく、伸びやかにたくましく日々貫いていく。
その姿があまりにも自然で、オシャレで、楽しそうで、心を奪われた。

そんなmitosaya Open Dayの様子をレポートします。

>>目に入るものすべてが、さりげなくオシャレ。

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