「モノ」を超えた「体験」を届けたい。 高桑製作所 一枚絞(ひとひらしぼり)

Interview

毎日の暮らしをちょっと、豊かにしてくれるもの。

ため息が出るような造形美。
ヘラ絞りと呼ばれる金属加工技術によって、一枚のチタンの円板からうみだされる、シンプルだからこそ誤魔化しのきかない極限の美。

ひとつひとつ、熟練職人の手仕事によって生み出されるこの酒器には、一枚絞 “ひとひらしぼり” という美しい名がつけられている。


へら絞り(へらしぼり、へら鉸り)は、平面状あるいは円筒状の金属板を回転させながらへらと呼ばれる棒を押し当てて少しずつ変形させる塑性加工の手法である。絞りスピニング加工へら押しとも呼ばれる。
板状素材を回転させながら加工するスピニング加工の一種であり、板厚を一定にしながら変形させる絞り加工の一種でもある。プレス加工では雄型と雌型を必要とするのに対し、雄型のみで加工を行うことができ多品種少量生産に適している。作業者の熟練度によってはプレス加工よりも高い厚み精度を実現することができる[。一方で、座屈や破断が発生しやすいため難易度の高い加工法である。

Wikipedia
一枚絞 ”ひとひらしぼり” 絹  高桑製作所    Photo By SHIHOKO


私がこの酒器に惹かれたのは、ものは違っても同じ金属加工の職人として、シンプルで無駄のない造形美はもちろんのこと、それを産み出す職人の技と想いに魅せられたから、という部分も大きい。

日々使うもの、身に着けるものは、ただ美しければよいというわけでもなくて、使いやすいこと、心地よいことがとても大切だと思う。それを実現するのは、作り手側の、使い手への気遣いと思いやり。それなくしては、本当に良いプロダクトはうまれない。

実はこのぐい飲みは二重構造になっていて、熱いお酒で満たされても、飲むときに唇や指が触れ負部分が熱くなりすぎることはない。

そうは言っても。この二重構造を一枚の板から産み出すことがどれほど難しいか、想像できるだろうか。ヘラ絞りでは不可能とされていたこの技術を可能にしたのが、株式会社高桑製作所。
特許を取得したこの新技術は、熟練の職人の手によってしか実現しない。ノウハウだけでは、ダメなのだ。それを実現できるのは、高桑製作所のなかでも特に熟練の職人3名のみだという。

一枚絞(ひとひらしぼり)は、古くから伝わる技術を極め、伝えていくだけでなく、そこから新たな何かをうみだそうとチャレンジを続ける人々の熱い想いの結晶であり、熟練職人がひとつひとつ、その仕事に誇りを持って、使い手のことを想って手作業で作り上げる芸術品でもある。


丁寧にうみだされるモノには想いがあり、ストーリーがある。
そのすべてが、モノに付随する価値なのだと私は思う。

モノに込められた想いやストーリーを知り、すべての価値を受け取って、自分の暮らしに取り入れる。そうすれば、毎日の暮らしがちょっと、豊かになる。

一枚絞(ひとひらしぼり)の器
それは「物」を超えた「体感」

高桑製作所

一枚絞に込められた想いとストーリーをより深く知るために、高桑製作所を訪れた。

>>一枚絞ができるまで。

続きを読む
1 / 3

Pick Up

関連記事一覧